【アートの起源│科学】 杉本博司2010年11月21(日)〜2011年2月20日(日)
@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館【放電場について】【作品情報】○1F
○《放電場構成001》 Lightning Fields 128
・ 2007-2008年 各150.5×120.7cm(6点)
・ゼラチン・シルバープリント
○《観念の形 011 負の定曲率曲面、回転面
x=cos u/cosh v y=sin u/cosh v z=v-tash v (0≦u≦2π,0≦v<∞)》
Conceptual Form 011 Surface of revolution with constant negative curvature
x=cos u/cosh v y=sin u/cosh v z=v-tash v (0≦u≦2π,0≦v<∞)
・2008年 高:300.0cm,直径:70.0cm
・アルミニウム削りだし、鏡
(以下、美術館配布パンフレットより引用)
【コンセプト】雷が落ちる時、動物達は物陰に身を潜め、ひたすら嵐の過ぎ去るのを待つ。
旧石器時代の人類も、
おそらく動物的な保身本能に従って洞窟などに身を隠していたのであろう。
しかし旧人の中にも変わり者がいて、
落雷を畏怖の念を持って見つめ、それを美しいと感じる者もいた。
神の存在の感覚と美の意識は、同じ頃に発達したものであろう。
天変地異が何らかの神のメッセージとして伝える符牒であると思える心性を、
人の意識が獲得できたことは、人類史にとっての大きな一里塚(マイルストーン)となった。
世界各地の神話には、雷が龍や蛇の姿と結びつき、
農耕社会に雨雲をもたらす兆しとして捉えられることが多い。
我が国の出雲地方に伝わる八岐大蛇伝説もその一つである。
蛇を退治することとは、水を統治することの象徴であり、
王権とはその統治の上に成立するものであった。
その後、日本の古代から中世にかけては、
雷は憤死した菅原道真の霊と結びつき、
怨霊のたたりとみなされるようになった。
【作品解説】◎放電場
暗室内に故意に放電現象を起こし、
光の一瞬の動きを、大判のフィルムや印画紙にカメラを通さずダイレクトに
焼き付けたシリーズ。
電極となる金属の形状や溶液によって発光の形や方向は変化し、
光の軌跡は、あるときは落雷現場さながらの迫力ある稲妻となり、
あるときは生命の気配さえ漂う微細で複雑な形象を見せる。
本シリーズは、展示方法によっても表情をがらりと変える。
ネガフィルムをそのまま見せる《放電場電飾》では、
光跡黒く反転し、背後のライトボックスが陰影を浮き上がらせる。
複数のプリントで構成した《放電場構成》では、光はあらゆる方向に走る。
◎観念の形
19世紀末、ヨーロッパの数学者達は三次関数の数式を立体に表し、
石膏でで多くの数理模型を作った。
抽象的な概念から生まれたこれらの形は、
意図せずして完成された美しさを持つ。
杉本は、現代の最高技術を駆使して、
100分の1mmの精度でアルミ無垢材の数理模型を制作し、
これらを《観念の形》と題した。
古野華奈子/丸亀市猪熊弦一郎現代美術館【個人的見解】吹き抜けのフロアに《放電場》の作品が6作品、縦に並び、
その前には《観念の形》が置かれている。
別々に撮られた電流が繋がれたようになり、
ひとすじの稲妻が《観念の形》へ向かって落ちてくる。
杉本氏が書いたコメントの中にも「落雷を畏怖の念を持って見つめ、それを美しいと感じる者もいた。」あるが、
私も当時であれば、そのひとりだっただろうなと思う。
雷の怖さと美しさは、杉本氏が作り出した空間の中にもあり、
違うのは瞬間的な美しさを停止させても実現させていたところにある。
その意識は「人間の意識の起源」に戻すことに成功している。
【作品レビュー】◎
アートの起源│科学 総称◎
放電場構成/観念の形◎
偏光色/プリンピキア◎
放電場電飾/雷神来人図/雷神像/ファラデーケージPR