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シコウキロクソウチ

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【風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから】

【風穴 もうひとつのコンセプチュアリズム、アジアから】
2011年3月17日(土)
国立国際美術館

出展者:ヤン・ペギュ、木村友紀、邱志傑(チウ・ジージェ)、島袋道浩、Contact GONZO、THE PLAY、Dinh Q Le、Araya Rasdjaimaea Rnsook、立花文穂


最近、アジアのコンテンポラリーアートに注目されてきていることと
興味があったので行ってきました。

作品も面白かったけれど、この展覧会の作品解説シートとチケットデザインが今までと違い、
見ていて面白かったです。
この展覧会でも出展している立花さんが手がけていて、
紙質、インクのかすれ等を意識したものでした。
チケットをもらうところから展覧会が始まっているんだなと感じました。

日本、中国、韓国、ベトナム、タイから計9人のアーティストが集結しています。
中でも私は邱志傑(チウ・ジージェ)、島袋道浩、
Din Q le、Araya Rasdjaimaea Rnsookの4人が面白いなと思いました。

今回はこの4人についてのレビューを書こうと思います。



《邱志傑(チウ・ジージェ)》
邱氏の作品の大きな主題としては、国家が作り出す理想と故人の生の葛藤を見つめているというところにあります。
フロアの中央にスクリーン、両サイドには中国を象徴する南京長江大橋が描かれた症状の数々が飾られていました。
この橋はその象徴に「達成」や「成功」の証として存在していると同時に自殺の名所としても知られています。

国家が描く理想像というのが、その国に住んでいると感じにくく、
実際に他国からなんと思われているのかなります。

私たちは知らず知らずの間に国からもたらされる情報の中で何が正しく何が違うのか、
一種の洗脳の中にいるのではないかなと思うのです。あくまで個人の意見ですが。
例えば邱氏が何かしらの不安や疑問と言った何かを感じ取ってこの展示になったなら
急激に発展を遂げている中国の今をしっかりと捉えた深い作品なのではないかなと思います。

展示の仕方はサイドは生前とした賞状の列、反対は山積みにされた賞状。
表から見たスクリーン映像は裏返った文字だが、反対側から見てみると容易に読む事のできる文字が投下されたスクリーンから読めました。
あからさまな対比方法だったかもしれないが、
シンプルな主体、コンセプトだったので、中国の内情に詳しくない私でも純粋に「理想と生の葛藤について考えることができたように思います。

この作品はアーティスト本人が今の中国の世相と見つめるのと同時に、
諸国に住まう人間が今一度「理想と生の葛藤」について知るきっかけになったのではないでしょうか。
私はそういう意味でも深みのあるものになったのだと考えています。


《島袋道浩》
彼の作品は何度が拝見させてもらったことがあります。
いつもちょっとした視点の違いで、ユーモアにあふれているように思います。
私が気に入っているのは「柿とトマト」「born as the box」「カメ先生」の3作。

「柿とトマト」は、遠目でみると同じような形と色のふたつが並んでいてトマトにしか見えません。
しかし、近づいていざ見てみると驚くほどに違います。

それだけ普段、視覚に頼っている部分が多く、
脳に頼ってモノを見ていることが分かります。

「視覚」というのは、私が長年気になっている物事のひとつなので
島袋氏のこの作品は、自分の興味から見ても作品的にも興味深いものだったと思います。


「born as the box」はストレートに箱の気持ちを表現していて、
思わず笑ってしまいました。
私たちは、段ボール箱を「ただの箱」としてしか認識していませんが、
いざ「箱の気持ち」を語られたときに、ものを大切にする意義を感じました。
ただシリアスに語るのではなくて、
関西弁で流暢に話すから余計に面白いというのもあったのかなと思います。
こういうストレートなおかしさと意味を持った作品は好きです。


最後に「カメ先生」についてですが、これは色んな意味でショッキングでした。
そもそも美術館内に生きたカメがいたこともショックでしたし、
それを作品にしているということもショックでした。
思わずキュレーターともお話したのですが、
「カメ先生」と1対1で向き合うことで、
何かを学んでほしいというのがコンセプトのようです。

向き合っている瞬間、何を得るかはその人自身の問題ですが、
私は会話しているときより横からその情景見ていることの方が学べた気がします。

一貫して「見る」「見られる」という部分に私は興味があるようです。
美術館で改めて生き物を見るという行為をすることで、
人はそれを珍しいこととして認識し、カメ先生に対して好気の目をしていたと思います。
別に動物愛護をしているわけでもありませんが、
一時的に「生き物を人間のエゴで囲って見る」ということがとても複雑なことのように思いました。
水族館や動物園だったらこんな気持ちにならなかったと思います。
人間というのは、やはり勝手ですね。


《Din Q Le》
ベトナムのアーティスト、ディン氏の作品を初めて見ました。
デュシャンのような感覚で私は、彼の作品を見ました。
というのも、ベトナムの路上やお店で見かけるものを出展していたのですが、
その全てがとても斬新で、インパクトがあったからです。

タイヤのゴムが路上にあるだけで、タイヤのパンク修理の合図だとか、
それが当然のように路上にあるということが面白いと思います。
文化間の違いをより感じさせる作品群だったなと思います。

深い意味ではデュシャンとは違いますが、
ものの扱い方というか見せ方が似ているのかなと思いました。


《Araya Rasdjaimaea Rnsook》
彼の作品は、何の知識もないタイ人に西洋絵画を見てもらい、
思い思いに意見を言ってもらうという主旨でした。
これも文化観の違いが多いに出る作品で、とても興味深かったです。

人は身近な部分から、あるいは知っている自分の記憶とリンクさせて物事を考える生き物だと思っています。
この作品はタイの人々の文化を基盤に話すので、
西洋絵画の意図を知っている人から見るととてもチグハグは話をしているように見えます。
少し笑いも起こるようなおかしさも兼ねているように思います。
けれど、私は「芸術を楽しむ」という本質も兼ね備えているように感じました。

日本で芸術を学ぶように堅苦しくなく、
楽しく自分の国と他国を縮めることができる機会だったんじゃないかなと思います。

人によっては様々な印象があるかと思いますが、
私はその国によっての答えを毎回感じれるように思ったので、
とても好きです。
ぜひタイだけではなく、様々な国の人の意見を映像化していって欲しいと思いました。
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