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シコウキロクソウチ

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【アートの起源│科学】ファラデーケージ/放電場電飾/雷神来人図etc

【アートの起源│科学】 杉本博司
2010年11月21(日)〜2011年2月20日(日)
@丸亀市猪熊弦一郎現代美術館



【ファラデーケージ】
【放電場電飾】について

【作品情報】
○3F
○《放電場電飾 004-007,009-011》 Lightning Fields Illuminated 004-007,009-011
・2008年
・177.8×111.7×7.6cm
・ライトボックス、白黒フィルム
○《雷神来人図》Lightning fields Composed 012
・2010年
・2隻の帳幕で構成、各200.0×1200.0cm、帳幕(絹)
○《雷神像》Thunder God
・鎌倉時代
・高さ 63.6cm
・木造、着色、象眼
○《放電場 128》Lightning Fields 128
・2009年
・149.2×119.4cm
・ゼラチン・シルバー・プリント
○《ファラデーケージ》Faraday Cage,2010
・2010年
・鳥かご 50.0×30.0×40.0cm、スタンド 156.0×53.0×43.0cm、ミクストメディア


【コンセプト】

雷が電気であることを証明したのは1752年のベンジャミン・フランクリンの凧揚げ実験である。
電気の語源は古代ギリシャ語の琥珀(エレクトロン)であると言われている。
毛皮と琥珀を摩擦させることによって二つの物質間に引力が生まれることから、
この不思議な力が電気と名付けられた。
その後のヨーロッパにおける近代科学の発展は、
神の領域に属すると思われていた自然界の現象の中に法則性を見いだしていった。
今では昔、神話と思われていた雷は理解され、
電気は利用されて現代文明の動力源となっている。
 人間が自然界の法則性を科学的に理解するということは、
実験によってその現象を繰り返し再現することが可能であることを意味する。
1831年にマイケル・ファデラーによって発見された電磁誘導の実験を、
ファラデーケージとして会場に再現してみた。
人は神に代わって雷を起こすことができるようになった。
古代出雲の神殿を模した雷神像を祀り、
その足下にファラデーケージを発光させて、
長い人類の精神史を辿り、その行く末を占うよすがとした。


【作品解説】

◎放電場電飾
暗室内に故意に放電現象を起こし、
光の一瞬の動きを、大判のフィルムや印画紙にカメラを通さずダイレクトに
焼き付けたシリーズ。
電極となる金属の形状や溶液によって発光の形や方向は変化し、
光の軌跡は、あるときは落雷現場さながらの迫力ある稲妻となり、
あるときは生命の気配さえ漂う微細で複雑な形象を見せる。
 本シリーズは、展示方法によっても表情をがらりと変える。
ネガフィルムをそのまま見せる《放電場電飾》では、
光跡黒く反転し、背後のライトボックスが陰影を浮き上がらせる。
複数のプリントで構成した《放電場構成》では、光はあらゆる方向に走る。

◎雷神来人図
放電場シリーズで捉えた光の軌跡を、
二隻の帳幕に染め抜いた作品。
空気が動くと、幕上の雷光もゆれる。
布という柔らかい媒体が、
人々に畏怖を与えてきたはずの兄弟な力を和らげているかのようだ。
人は電気を手中に入れ、恐れることをしなくなった。
「雷神来人」という杉本らしい洒落を含んだタイトルに、
現代の「科学」の有様を考えさせられる。

◎ファラデーケージ
ファラデーケージとは、導体(熱や電気をよく伝える物体)に囲まれた空間、
もしくは導体で作られた籠や器のことをいう。
電磁誘導を発見した19世紀の科学者、マイケル・ファラデーの名を冠するこの装置を、
杉本は、ファラデーと同時代のものと思われる鉄製の鳥籠を用い自作した。
中に組み込んだテスラコイルを作動させると、
鳥籠内に音を立てて青白い電光が走り、火花が飛び散る。

古野華奈子/丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

(引用ここまで 美術館配布パンフレットより)



【個人的見解】

展示場へ行くまでの道は暗く、細く、長い。足下も心もとない。
遠くにチカチカと光るものが何かと気付いたのは、その道の中腹に来たあたり。
《放電場》がプロジェクターによって、少しずつスピードを増しながら光っていた。

1Fの表現がほとばしる稲妻が落ちる瞬間を捉えたのだとすれば、
この道で光っていたのは洞窟から眺める数々の落雷だと思う。

その細い道を抜けると広い展示場は嵐の空間だと感じた。
中央には巨大な階段。
イメージは出雲大社の神社のようで、
スポットが当たった雷神が激しく太鼓を打ち鳴らしている。
背景には《放電場》の一筋が力強く配置されていた。

雷の解明から再び太古へと時間が戻り、今と昔を行き来しているようだった。

雷神に向かって左側にライトボックスによって強く光っている《放電場電飾》が5点。
それぞれ、似ているが表情の違う白黒フィルムが
上下反対に並んでライトボックスに収められている。

向かって右側には、放電場がプリントされた帳幕があり、
時折挟まれた《放電場電飾》が帳幕の裏側から透けて存在を主張している。

壁を隔てた向こうに展示されていたファラデーケージが出す音が
空間をさらに盛り上げていた。

ファラデーケージは鳥かごの中で雷が発光していて、
人の英知と切なさが私はあったように思う。

俗に「神の領域を超えてはいけない」と、
医療やクローンなどの話などで言うことがあるけれど、
杉本氏が組み立てたファラデーケージを見ていると、
人が「神の領域」を超えたのはいつからなのだろうなと考えさせられたように思った。




【作品レビュー】
アートの起源│科学 総称
放電場構成/観念の形
偏光色/プリンピキア
放電場電飾/雷神来人図/雷神像/ファラデーケージ
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