【フォトシエグランプリOSAKA2010】結果発表&
浅田政志×広川智基トークショー
2010.12.11 sat 15:00〜なんとなく行って帰ろうかってときに始まったトークショー。
相変わらず浅田政志愛な私としては、
初生浅田政志なわけで、ちょっとテンショ上がりました。
印象はあれです。吉本新喜劇
(失礼!)でも、面白い人だから面白い写真が撮れるんだと思いました。
作品って人柄が出るものね。
とまぁ、そんな雑談で。
フォトシエ(=街の写真屋さん、プリンター)のことを、
一般の人にもっと親しみを持って知ってもらうというのが狙いのトークショーでした。
多数の写真屋さんのプリントが並ぶ中、
おふたりが選んだ写真を聞き、浅田さんは2番、広川さんは13番を選ばれました。
やっぱりプロなので、自分が意図したところの色が出ているのか、
逆に自分の狙いを知らないので重要なところをトリミングしてしまったりとか、
自分の知らなかった一面を引き出していて面白いとか、
そういう様々な視点からいろいろ言葉を引き出していました。
浅田さんの写真プリントは
ライトなプリント、濃厚なプリント、懐古的なものもあれば誇張されたものもあって、
なかなか技術をアピールする人もいたなあと思いました。
その中で選ばれた2番はプリントの色味もさることながら、
頂戴していたコメントもなかなかしっかりと作品のことを考えていて、
作者の心の中をよく分かっているものだと感じました。
広川さんは長時間露光で仕上げている写真なので、
昼のように見えて夜の写真をプリントしてもらったようです。
2006年に開催した展覧会のメイン写真らしいです。
ストイックな主題の分かりやすい写真だけに色調もはっきり分かれるようで
フォトシエがどうしたいのかっていうものが如実に分かるように思いました。
例えば空がピンクやオレンジになっている写真はどうしてあんな色にしたのかと
私なりに考えたときに、はっきり出したかった色が建物なのか全体の色調なのか、
そういうところで分かれたのかなと思いました。
でも、写真家から見たプリントの質感は、自分の求めている色であって、
一般の人とはもしかするとちょっと違うのかもしれない。
というところで、結果を発表されたら、やっぱりそうだった。
ちょっとライトなものやちょっと生っぽさがあるもの、
重厚感があるものなど様々な角度から結果が出てたように思います。
ちなみに1位を獲得していたワタナベカメラさんは大阪の写真屋さんで、
他は東京や北海道でした。
そして、ワタナベカメラさんは今時に珍しいレンズ焼きらしく、
お客さんは意外とシビアにものを見ているんだなと感じました。
素人をなめちゃいかんなあ、となぜか私もしみじみ。
話変わって、そういう選ばれる街の写真屋さんは雑談ができるような、
所謂下町っぽさというのだろうか。
そういう雰囲気があるそうです。
どうしてかというと、曰くプリンターはその人の求める色や質感を知るために
相手の情報を得る必要があるとのこと。
その視点でいくと、高校のときによくおしゃべりに付き合ってくれる
雰囲気がロマンスグレーなおじさんがいる写真屋さんによく行って、
雑談に花を咲かせて帰ってきたなと思います。
ふまえて見ると、確かにそのあたりでは
アマチュアでもカメラを愛するおじさんがたくさん通うお店だったと思います。
そういうちょっとしたところがプロの違いを見せるのかも。
そして、デジタル普及に伴い減ってしまっている写真屋さんの危機についても語っていました。
もともとこの展覧会の企画の意図の中に、
廃れていく銀塩写真のせいで写真屋さんの後継者問題や経営についての難が露になりました。
農業や伝統などという専門的なものは、
食べていけるかいけないかという次元で子どもに継がせることも悩んでしまう時代。
ショット数は上がっているのにプリント数が減っている現実に少し寂しさを感じます。
なぜかというとデジタル写真は、
写真を撮ってもプリントするというところまでいかないということです。
撮ってPCに入れっぱなしっていう人も多いのではないでしょうか。
私も仕事で撮った写真はすべてプリントアウトすることはないですし。
ただその分、バックアップはそこいら中にあります。
なくなると困るので。
司会進行を務めるディレクターさんが「あるけどない。ないけどある。」という話をしてくれました。
どちらでもないデータという存在は曖昧で、そういう不確かなものは人にとってあまりいい状態ではないそうです。
無明というらしいです。
あるけどなくて、ないけどあるものの不確かさというのは、
私はいつ本当になくなるか分からないところにあると思います。
データはいつのタイミングで壊れるか分からないし、なくなるかもしれないし、
場合によっては復旧することもできないのかもしれません。
それを含めて、広川さんが
「だから、最近の人の子どもはアルバムってきっとないんだよ。
小さいときの自分の写真がないっていうのは嫌だよね。」
と言っていました。
私もその意見にはどう意見で、「アルバム」というひとつの家族間コミュニケーションツールがなくなることで、
過去の自分に出会うこともできないし、
知る機会もひとつ減ってしまう。
さらには今後生まれてくるかもしれない自分の子どもとのコミュニケーションツールにも
なり得るひとつの集大成がなくなるというのは、
私はとても寂しいことだと思います。
銀塩だとかデジタルだとか関係なしに、
アルバムという存在は大切にしたいなと思います。
ただし、ディレクターさんがどこかの写真屋さんで聞いたことばで
「本物の色をちゃんと見ろ」と言われたことばから、
感じるところがあったみたいです。
ちなみに私も同意見なのですが、
最近の人は生でものを認識しないようになりました。
レンズや画面ばかり見て、生の喜びや感動を感じないようになったのではないかと思います。
生を知らなければ、色を出すこともできないし、
よしんば作ったところでそれは何かを再現したのではなく、
あくまで自己創作の世界なのだと思います。
必ず同世界を再現しなさいという意味ではないけれど、
知った上での変化ということをもっと認識するべきなのかなと私は思います。
私はこのことについて、高校生のときに電車に乗っていたおっちゃんの新聞記事(ちなみに裏側)に
書かれていたのを読みました。
あのときから、写真の表裏を見たような感覚でいます。
長島有里枝のいう「ときどき私がいないような気持ちになる」という感覚は、
これに近いのではないかなと思います。
そして、私も同じようなスタンスで撮影に臨んだ時期があるので、
その感覚は私にも分かる気はします。
写真を撮ることと同時に、
リアルの今の中にある感動も取りこぼさないように、
カメラというコミュニケーションの使い方を間違えないようにしてほしいと思いました。
今日のトークショーからは、そんなことを学んだように思います。
2010.12.12 sun
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【ALBUM EXPO OSAKA】12/1 wed ~ 12/12 sun
@UMEDA HEP HALLBRUTUSに川島小鳥の写真が載っていて、
今まで歯牙にもかけてなかったんだけど、未来ちゃんがかわいすぎて行ってきました。
ただの個展だと思ってたのですが、
「ALBUM EXPO」という写真をもっと身近に、
銀塩をもっと身近にっていうのがコンセプトのイベントだったんですね。
会場には親子連れも多く、いろいろな視点から楽しめるイベントだったように思います。
うっかり浅田政志が出展しているのを見たときは、
メロメロになって、メロメロ病で殺されるのかと思いました。笑
ピックアップされていた写真家はもちろん、
視野を狭めず、イラストレーターや漫画家、
俳優もいればミュージシャンから主婦のブロガーまでたくさんの人が出展。
(このレビューは覚えている人たちだけしかレビューしませんのであしからず。)アルバムは、本当にいろんな形があるのだと思いました。
始まりはデジタルというものの普及から忘れ廃れ始める銀塩の説明に始まり、
私たちにとって親しみのある佐野史郎の写真を展示。
モノクロのなかなか男の人らしい四角い写真でしたが、
ゆるい暖かさも残っていて、私はけっこう好きでした。
ストイックな家族アルバム【平間至】彼は、お嬢さんの写真。
笑顔もはな垂れもわめき泣く姿も、
どの写真にも1枚1枚に愛がギュッと詰まっているのが分かる写真でした。
家族写真の一番根底にあるものがある表現だと思います。
ご自身が語る「写真のいいところは、一瞬が永遠になる」という部分が見事具現化と言ったところでしょうか。
【伊東俊介】その横にある伊東俊介は、初だったのですが、
モノクロの本当に昔から撮りためた写真だったのだと思います。
昔の深みのある銀塩モノトーンから最後のちょろっとあったカラー写真に、
時代の移り変わりが面白く、また違う視点で記憶の中をのぞけた感じがします。
ユーモラス&記録の蓄積【梅佳代】興味深かった梅佳代のアルバム。
ただ詰めただけのプラスチックのホルダーにホイホイ詰めて約10年。
なるほど、梅佳代が撮る写真にユーモラスと親しみがあるのはそういうわけかと納得。
あのスナップ写真はやっぱり量がないと生み出されないよねっていうのを実感しました。
それはひとえに家族写真の思い出としても成り立つし、
うまく組み合わせれば作品となる。
基本の基本だけど、基本を置き去りにしてた私にとっては大事な何かを得たように思います。
【写真屋さんのアルバムサービス】その横は、最近巷ではやっている写真屋さんがアルバムを作ってくれるサービスを始めたけれど、
それの紹介のようなコーナーがありました。
でも、アイデアはいっぱい!
漫画家のタナカカツキ(かな?)が撮った「名画と白目」はなかなかシュール。
名画には目がいかない。笑
後ろにある名画を差し置いて、主役となった親子の白目はなかなか面白い試みだったんじゃないでしょうか。
アルバムとして振り返ってみたときに、そざかし話のネタになるのだろうなと羨ましくさえ思いました。
人が多くて誰が撮影したものかまでは覚えていないのですが、
写真立てにいれて展示していた髪の毛で文字を書いて撮影してた人の写真も
なかなか面白かったです。
あんな風に遊べるものなんだなって。
古くからある写真の形【りす写真館】モノクロの家族写真を綴った写真。
イベント入り口で写真を撮っていた人が、おそらくそのお店の方に違いない。
今時、改まって集合写真を撮る人も少ないでしょう。
私の父は集合写真を撮りたがる人ですが、恥ずかしがって撮りたがらない人もきっと多いと思います。
今日久々に、深瀬昌久の「家族」のような家族写真のように、
1年に1度撮った写真をアルバムに綴るのも面白いのかもと思いました。
だって、家族の絆がなくちゃ生まれない写真ですし。
愉快さと親しみ【浅田政志】愛すべき浅田政志。
いや、ただのファンなのですが。笑
久々に彼の生プリントを見ました。
相変わらずのユーモラスがプリントの中に存在していました。
会場に来ていたお客さんが
「ママ、この写真面白いな。」
「そうやな。今度、写真撮ろうか。」
という会話をしていたのが、この写真展の意図しているところであり、
家族とのコミュニケーションの新しい取り方の提案として浅田さんの写真は
形を見いだしていたのではないかなと感じました。
原点を正月のはがきの中にあったような紹介をしていて、
家族が何気なく子どもの写真をはがきに納めるところにあるのだと思うと
何が作品に繋がるのか分からない魅力も感じることが出来たように思います。
(このイベントはそう思わせることが多いけど)【川島小鳥】彼の写真はの中には子どものかわいさと、
マスコットキャラクタのようなかわいさと、
女のかわいさとがミックスされたような未来ちゃんが
存在していることかなと思いました。
そしてそれが、重厚すぎずさっぱりとした軽やかなプリントに
秘められているのかなとも思いました。
もっとプリントが見たかったけど、展示位置が込み合いやすい場所だったので、
目的の川島さんが一番さらりと見てしまったのが、
私の後悔どころです。
【写真にイラストを描く】けっこう面白いと思ったのに、名前をすっかり忘れてしまいました。
なかなか面白いなと思ったのに、イラストレーターさん。
たぶん何の変哲もない写真に自分でピックアップした好きな素材で
自由な発想でイラストを描き足していく。
それだけで新しい空間が生き生きとしてくるこちらまで楽しくなってくる写真でした。
彼が作った作品の中に絵本(?)があり、
はじめは自分で描き足したイラスト写真なのですが、
最後は子どもが自分の意志で自由に描けるようなテイストに仕上げていたことが
面白かったです。
知らなかった街の写真屋さん【フォトシエ】所謂プリンター。
写真を専門的に知っている人でないと親しみを持てない表現で
印刷機器の印象が強いので、このイベントでは「フォトシエ」と呼んでいました。
これは、街の写真屋さんに同一フィルムを渡してプリントしてももらうという
ガチンコバトル対決です。
意図として、銀塩写真にもう一度触れたくなるような愉快なブースだと感じました。
20店近くの店舗が様々な色で表現してきていて、
中にはブローニーは対応していませんというお店も。
これだけ自分に合う色の写真を出してもらうのに、
また視野を広げるいい機会になったなと思いました。
詳細はトークショーがあったので、トークショー記事にて。
【総評】アットホームな空間ですごく楽しく、
写真を純粋に楽しむ人、親子でアルバムを作ることを楽しむ人など
本当に豊かな客層が会場にいて、
アルバムという一番身近なもののことについて、
改めて感じるところがあったのではないかなと思います。
少なくとも私は「家族」をテーマに作品を作っていたので、
そのものの表現の多様さと、意外に難しい表現は要らないのではないかという
新しい見解も生まれました。
楽しく写真について触れることができる、
そんなイベントだったと思います。
2010.12.11 sat chikakiyo
初めまして。
当サイトはtruthが様々なものを引き出し、勉強、自己調査・分析のために書き記した ブログサイトです。
常識をわきまえたコメントなどは、一見さんでもウエルカムですが、
マナーをわきまえないユーザーに関しましては、即刻通報致しますのでよろしくお願い致します。
また当サイトで書き記すことは、あくまでtruth個人が感じた感想であり、
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